食品添加物とか農薬とか危険なの?ってよく聞くけれど「食品の安全」はどんな考え方で評価されているのでしょう~

2021年9月22日


近頃ではあんまり騒がれなくなった気がしますけど、食品添加物は体に悪いのか、悪くないのか~なんて議論がありますね。

ある人は、食品添加物は危険だと言い、またある人は、健康増進に必要だと。


農薬に関してもしかりでして「農薬は体に悪いから有機農産を食べましょう」とか「いやいや、安定的に食料生産するためには農薬は必要だ」とかいろんな事を言う人がいる訳です。


どっちやねん。


ここで書くのは、そんな終わりのない議論の内容ではありません。

「食品の安全について、どんな考え方で私たちの健康は守られているのか」のお話です…個人的な意見はいっさいなし!!


そもそもですよ、ひとの健康に悪影響を及ぼすものは何ですか?って考えると、分かり易い食品添加物とか農薬だけではなくって、ジャガイモの芽に含まれる有害成分みたいに身近にあるものから、ニュースで話題になるアニサキス(寄生虫)とかO-157(食中毒)などなど、いろいろとありまして。

それだけじゃなくて、無害だと認識されている食品ですら、大量に体内に取り込むと体に悪いものになっちゃいます。

例えば塩、理屈抜きにして、一度に大量に食べればやばいことは誰でもわかります。

水だって、短時間に大量にとり、水中毒で亡くなった事例もあるんだそうです。



つまるところですよ、どんな食品も食べすぎれば必ずリスクがあるってことです、普段あんまり意識してないけど、これが事実なんですな。


ですから「食品の安全」について考えると、どれだけ食べるなら安全なのか…「量」の概念が必要になってきます。

くどいですけど、どんな食品も食べすぎるとリスクですから。


どのくらいの量なら体を壊さないのかは、化学物質によって様々でして(※すべての食品は科学物質で構成されています)。

それぞれに「健康に悪影響を及ぼさない量」=「許容量」があります。


で、その「許容量」の考え方なんですが。

内閣府の食品安全委員会「科学の目で見る食品安全」から引用させていただきますと、「ある化学物質を、人が一生にわたって毎日摂取し続けても健康上の問題が生じないとされる量」と定義されまして「ADI(Acceptable Daily Intake)一日摂取許容量」といいます。

※ちなみにこの「科学の目で見る食品安全」は食品安全委員会のHPで見れまして、中学生向けに作られた資料なんですけど、めっちゃ分かり易いです。このブログもほとんど、この資料を参考にさせていただきました。

食品安全委員会についてはこちらも参考にどうぞ…ちと固い内容ですけど


ADIを決めるためには、まず、動物を用いた毒性試験をして、悪影響の出なかった量「無毒性量」を見つけます。

で、このデータを基に人に当てはめた場合を考慮して「無毒性量」からさらに安全係数(通常100)で割ってADIが設定されます。


通常の場合は「無毒性量」からさらに100分の1がADIってことですな。


安全か安全ではないかはあくまでも、科学的に調べて決まっているんです、適当に「このくらいならいいんじゃね」なんてことはありません。


ADIの設定などの「リスク評価」は内閣府の食品安全委員会で行われています。

で、その結果を受けて「リスク管理」をしているのが、消費者庁、厚生労働省、農林水産省など…


なるほど~「食品の安全」はこんな仕組みで守られているのですね~


いろんな情報で「この食品は安全なのかしら?」なんて不安になる時もありましょうけど、この国の食品は科学的な根拠に基づいて守られているってことは知ってたほうがいいのではないでしょうかね。