【ぶらり畑散歩】2019年11月<千葉県山武市>
11月上旬、千葉県山武市の畑を見に行ってきました。
千葉県山武市といえば、2019年9月9日に関東地方を直撃した台風19号の被害を大きく受けた地域のひとつです。その被害状況はネットやメディアでも取り上げられていました。
実はこの山武市、有機農業の生産者(農家さん)がとても多くて、その業界では有機の町として有名なんです。
私自身、日本全国いろんな地域の畑を見てきましたが、山武市の農家さんはすごく腕がよくて、畑を見ればめちゃキレイ‼ 畝のたて方、トンネルの張り方、作物の揃い、圃場周りの清潔さ…どれをとっても超一流の方が沢山いらっしゃいます。
(個人的なお話ですが…何人かの農家さんからは沢山のことを教えて頂いた過去もありまして…)
山武町の特産は人参、里芋、落花生(隣町の八街の方が有名ですが)スイカなどなど…ほかにも施設農業(ビニールハウス)されている方も多くて、農家さんの腕前もプラスして何でも作れる大農業地帯になっています。
しばらく足が遠のいていましたけど、台風の影響はどうなのか、ずっと気になっていたので、思い切って山武市に出かけてみることにしました。
台風19号、風の破壊力
直撃が9月9日、もうすでに2か月程経っていますから、大分、被害を受けた建物やビニールハウスの片づけは進んでいました。ですけど、まだまだ台風の爪痕は残っていて、ハウスの壊れ方から見るにどれだけ強い風だったのか想像できます。
壊れたビニールハウスがあまりにも多く、再建するにも品物不足でメーカーから部材の入手ができない状況なのだそうです。この状況が来春まで続くと、お米の苗や春夏野菜の苗が作れず、農家さんへの被害状況は来年の夏~秋まで続いてしまいます。農家さんの現実に合わせた具体的なバックアップを行政の方には臨みたいものです。
台風19号の影響 大雨の爪痕
とにかく雨もすごかったそうです。この畑、少し低いところにあるのですが、完全に水没して池のようになってしまったとのことでした。2か月経ったいまでもまだ乾かず畑として使えない状況が続いています。
山武市の特産 秋人参
心配していた露地野菜…人参は元気でした‼ よかった~それにしてもさすがに山武市、人参畑だらけです。
落花生の乾燥 ぼっち
収穫した落花生は写真のように積み上げて(これ「ぼっち」と呼びます)乾燥させていました。八街~山武市にかけての秋の風景です。積み上げ方にもコツがあっって、下手くそが積むと崩れてしまうのだとか…
見事なネギ畑発見しました。
見事なネギ畑を発見しました。すげぇな…ずっと向こうまでネギ畑です。
レタス畑とブロッコリー
ごぼう畑
ちゃっかり野菜頂いてきました
知り合いの農家さんにお邪魔して、ちゃっかりロメインレタスと収穫したての里芋頂いてきちゃいました。もう、ねぎらう言葉も見つからないのに、なんてことでしょ。「もってけもってけって」すいません~ありがたく大切に頂きます‼
農業はその時々だけの状況で収入が決まる仕事ではありません。おそらく台風19号の影響は来年夏まで続くでしょう。それでも、生活がかかっているのに、農業をやめず農産物を作り続ける農家さんには頭が上がりません、とてつもない精神力です。
お邪魔した知人の農家さんが言ってました、それでもモノづくりは面白いよって。
それでも有機農業を諦めない農家さんがいるってこと、胸に刻んで山武市を後にしたのでした。