【家庭菜園】民間の会社さんが運営する「貸し農園」のメリットとデメリットは?
これから畑を借りて野菜作りをしたいと考えている方へ、農園を選ぶ際の参考にしてもらえればと思います。


「貸し農園」と「市民農園」の違い
ここでは民間の会社さんが運営する貸し農園を「貸し農園」、行政や農協さんが運営する農園を「市民農園」と表現しています。※一般的な表現方法なのかは分かりませんが…
貸し農園
民間会社さんの運営する「貸し農園」は畑を貸してくれるだけでなく、農具の貸出やトイレや休憩所の設置、管理人さんによるサポート、イベントの開催など、いろんなサービスがついています。
※サービスの内容は各社で違いがあります。
民間の会社さんが運営しているだけあって、畑を探すのも簡単で、ネットで検索すればあっさり見つけることができます。
市民農園
一方、行政や地元の農協が運営する「市民農園」は、畑を貸してくれるだけの場合が多く不便を感じることもあるでしょう。 ※最近では行政の運営する「市民農園」も設備が充実した、素晴らしい農園もあるので調べてみる価値は大いにありです。
まず「市民農園」を見つけるのに苦労します。
お住いの市町村のホームページから探したり、直接役所に電話してみたり、ちょっとした努力が必要です。
貸し農園のメリット
鍬やスコップ、剪定ばさみなどの農具が用意してあります
大体の貸し農園には鍬やスコップなどの農具が用意してあって自由に使うことができます。

いろんな農具を揃えてある貸し農園なら大丈夫、そんな心配はいりません。
それに農具を持ち運ぶ手間が省けます。

鍬を持って電車に乗れば周りから白い目で見られるでしょう。
自転車で運べば長くて邪魔…というより危ないです、下手したら事故になります。
車があるならいいのでしょうけど、都市近郊で手軽に畑を楽しみたいのであれば、農具が畑に設置してある貸し農園はとっても便利です。
貸し農園によっては支柱も用意してくれます
これも持ち運びに不便なものです。
例えば夏野菜を育てて、ちょっと目を離したら支柱が必要な大きさに育ってた…そんな時に支柱を買いに行く手間を省いてくれます。
畑で必要に気が付くことも結構多くて、その場で借りられるのは大きなメリットです。
他にもマルチや防虫ネットを貸し出してくれるところもあるので、貸農園を借りるのであれば予め確認しておいた方が良いでしょう。
水がある
これはメリットとしてかなりでかいです。
野菜作りをするなら、やっぱり水は必要です。
水ほど重たくて厄介な資材はありません…ジョウロに入れて運ぶにせよ、ポリタンクに入れて運ぶにせよ、水場が近くにあることは大きなメリットになります。
水道代を気にせずじゃぶじゃぶ使えるなら最高です(でも水は大切に使いましょうね)
トイレがある
トイレは絶対に必要です。
貸し農園に設置してあるトイレは大体簡易トイレ(工事現場に置いてあるやつ)がほとんどですが、これがあるとなしでは段違い。
畑のある場所は往々にして閑静な住宅街のど真ん中か、周りが畑か田んぼ…歩いてコンビニのトイレに行けることは少なく(かといってド田舎ではないので大自然に放出することもできず(男性に限った話ですよ)いざって時に本当にありがたいです。
休憩所がある
特に夏場の炎天下で日陰のある休憩所があると本当に助かります。
畑って場所は周りに日光を遮るものがありません。
ちょっと休憩するのに日陰で腰を掛けられる場所があるととっても助かります。
貸し農園のデメリット
お金がかかります(当たり前ですが…)
ざっくりの相場は首都圏近郊で10㎡あたり4,000円~10,000円前後
金額に開きがあるのは受けられるサービス、立地の違いです。
畑を借りるだけだと料金は安く、種や苗・肥料などの提供まで含めると当然料金は高くなり、都心部から離れた立地は安く、立地都市近郊で駅やバス停の近くだと料金は高くなっていきます。
高いのか、安いのかは個人の判断なのですが…
例えば、10㎡借りて賃料4,000円とします。
4,000円/月分の野菜を畑で収穫出来れば「家庭菜園はお得」となるのですが…実際のところはどうなのでしょう?
極端な例ですが、大根だけ育てることを考えれば、生育日数が60日~90日、10㎡あたりどんなに頑張っても50本は収穫できません⇒つまり2~3か月かけて50本が限界になります。
ところがスーパーに行けば(時期にもよりますが)大根1本100円なんてこともザラです。
つまりスーパーなら4,000円で毎月大根を40本も変えてしまうんですね~2か月で80本、3か月で90本の計算になります。
結論は「野菜を入手することだけ考えれば、スーパーで買った方がお得」となります(残念~)

家庭菜園の魅力は「野菜の収穫量」だけではありません、育てる、収穫する喜びにあります。
貸し農園を検討するなら、レジャーとしてどれだけ楽しめるのかも頭に入れて検討してくださいね。

借りた畑に責任を持って管理しなくてはいけません
これは「貸し農園」だけでなく「市民農園」の場合もおなじです。デメリットというより、畑を借りるなら守らなきゃいけない最低限のマナーのことです。
畑の草取りをしないで周りの畑まで雑草だらけにしたり、マルチなどの資材を片付けないで風で飛ばしてしまったり、育てている野菜の蔓が隣の畑まで延びてしまったり、臭いのある肥料を畑に撒いたままにしたり…借りた畑を管理せずに周りの方へ迷惑をかけてはいけません。


いつも自分の畑がどうなっているのか気にかけて、仕事やプライベートで忙しく、畑に行けない場合も管理会社さんに連絡を入れるなど、最低限の配慮は必要です。
管理人さんとウマが合うかも問題です
貸し農園には野菜作りのアドバイスをしてくれる管理人さんがいる場合があります。
まったく畑をいじったことがなくて野菜作りが初めての方には心強い存在なのですが、経験を積んだ家庭菜園の熟練さんには必要ないかもしれません。
独りで考え事をしながら黙々と農作業したい時だってあるでしょう。
そんな時に空気も読めずに「こんにちわ~」なんて来られたら、ぶっちゃけイラっとします。
PR写真みたいに沢山のお客さんがわいわいいてにぎやかな雰囲気になることは稀で、畑にぽつんと一人で作業することもあります、そんな時にずっと管理人さんに見られてる感覚も人によっては耐えられないでしょう。
管理人さんのスケジュールを確認して、わざといない日を狙って畑に行く「お金をはらってるのに何でこちらが気を遣わなきゃいかんのだ」なんておかしな話にもなりかねません。
管理人さんは利用者の方に野菜作りを楽しんで欲しくて、いろいろ考えて、いろんな提案をしてくれます。契約してから「こんなはずじゃなかった…」なんてことにならないように、担当の管理人さんとちゃんと話をしておきましょう(「自分の家庭菜園の経験」「畑にいるときにして欲しいこ」「して欲しくないこと」などなど…)
まとめ
必要なものがすべてそろっている状態からスタートできる「貸し農園」は初心者にはとてもありがたいサービスです。
段々と腕をあげて、もっと本格的にやりたいのなら、行政で提供している市民農園なども当たってみても良いでしょう。
市民農園が無くても、日当たりの良いベランダがあるのなら自宅でも楽しめますしね。
何はともあれ、貸し農園は畑を始めるのに凄く良いサービスですよ。
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