【野菜づくり|家庭菜園】おススメの本、上級者向け

2022年3月24日

目次

【中上級】有機栽培の肥料と堆肥 小祝政明著

有機栽培で使われる、アミノ酸肥料(ぼかしなど)、堆肥、ミネラル肥料について、それぞれの効果と使い方、作り方について書かれています。

おそらく、普通の人が持っている「ぼかし(アミノ酸肥料)や堆肥」のイメージはこんな感じではないでしょうか?

・大昔から農業に使われている古き良きもの
・有機農業の農家さんが使っているもの
・化学肥料と違ってなんとなく安全安心
・化学肥料に比べて作物の収量が少ない、生産性や経済性に劣る⇒だから有機野菜は高い…

この本のすごいところは、アミノ酸肥料や堆肥、ミネラル肥料の優位性を堂々と書いちゃってることです。一般的には「有機農業=生産性が低い」認識の世の中ですから、ある意味、化学肥料主体の近代農業への挑戦です…著者の有機農業への熱い思いをひっそりと感じます。

アミノ酸肥料、堆肥、ミネラル肥料を正しく使えば、天候不順(雨や曇天続き)に強く、土壌中の病害虫を抑制して、害虫から身を守る強い作物を育てることができる、その理由を科学的に分かり易く説明してあります。

完全にプロの農家さん向けの本で、アミノ酸肥料や堆肥の作り方(堆肥場の作り方まで書いてあります)について多くの説明がしてあります。どちらかといえば、お家で堆肥を作れない方、家庭菜園向きの本ではないのかもしれませんが、アミノ酸肥料、堆肥、ミネラル肥料の生産工程を知ることで、購入する際の「良い肥料と悪い肥料の見分け方」も学ぶことができるので、個人的には家庭菜園で有機栽培に挑戦したいと思う方にお勧めしたい本です。※説明はとても丁寧で、読みやすいです。

【上級】有機栽培の病気と害虫 出さない工夫と防ぎ方 小祝政明著

農薬を使わない有機栽培での病害虫対策について紹介した本になります。

完全にプロの有機栽培農家さん向けの内容です。農業の専門用語で解説している部分もあって、一般の方にはちょっと読みにくいかもしれません。

それでも、紹介している病害虫対策の方法は小さな畑でも使えるので、家庭菜園で無農薬栽培にこだわる方におススメしたい一冊になります。※かなりの上級者向けです。

農薬を使った病害虫防除の基本的な考え方は「野菜に悪さをする病害虫を薬の力でやっつける」ですが、本書で紹介している方法は根本的に違います。

そもそも作物を病害虫にやられない丈夫な体に育てて、さらに、生育環境中の病害虫を減らす方法です。
※人間の風邪対策に例えて説明しています…元気な体で免疫力が高ければ風邪に掛かりにくいし、予防としてうがいや手洗い(体に入るウイルスを減らす)をしますよね…これとおなじ理屈です。

その方法として、堆肥と肥料の使い方、土の太陽熱養生処理、有用菌液の散布について、理論と具体的な方法を紹介しています。

有機農業の技術を理論的に説明した本ってなかなかないですからね~無農薬栽培にこだわるなら一読の価値ありです(^^♪

【中上級】土壌微生物の基礎知識 西尾道徳著

微生物とは?から始まり、土壌微生物が有機物を分解する過程、堆肥について、根圏微生物、土壌伝染病、連作障害の仕組みなどなど「土壌中で微生物がどんな働きをしているのか」を説明した、かなり詳しい、ちょっと小難しい理科系の本です。

「なんで野菜は病気になるの」とか「なんで連作しちゃダメなの」とか、畑で起きることの理由をさらに深く知りたい~そんなマニアックな方へはおススメです。

基本見開き2ページごとに各内容の説明がしてあるので、調べたい内容だけ検索して、その部分だけ読む使い方も出来ます。

※野菜作りのノウハウ本ではありません。微生物のこととか、畑の土のこととか、まったく下知識の無い状態だと通読するのはちょっと辛いかも…