無農薬栽培で病害虫に困り果てたときに読んでください、有機農産物の日本農林規格別表2に記載される農薬について
注意)この記事はあくまでも、家庭菜園で野菜作りを楽しむ方に向けて、参考として書かれたものです。記事内で紹介した農薬が有機農産物の日本農林規格に適合していることを保証するものではありません。
無農薬で野菜を作りたくても病害虫被害が酷くて、どうにもならない場合はあります‼
家庭菜園で野菜作りをするなら「なるべく農薬や化学肥料を使わず作りたい」と考える方はきっと多いことでしょう。
ですけどね…どうにもならない場合があるんです。
害虫が少ない時期を選んで、防虫ネットなどの物理的な防除をして、自然由来の忌避剤を使って…散々努力したとしても、どうしてもコントロールしきれない病害虫被害はあります。
これね、しょうがないんです。だって育てている野菜は自生している植物と違って自然界にとって異質な存在ですから、何かしらのトラブルは起きて当然です。
では、無農薬で野菜作りをしていて、どうにもならない病害虫被害にあった場合、どのように対処したらいいのでしょう?
ここから先は野菜作りに対する個人の考え方次第です。
「どうしても農薬を使いたくない」なら、病害虫被害にあった野菜は諦めて片付ければ良いですし「せっかく作った野菜だから、必要最低限の農薬は使ってみよう」の考え方も全然悪くありません。
家庭菜園ですからね、自由にやったらいいんです。
有機農産物の日本農林規格別表2に記載される農薬について
やむなく農薬を使う場合でも、なるべく天然由来に近いものを使いたいと個人的には考えます。
農薬といっても化学的に合成されたものがすべてではありません「微生物が産出した結晶毒素」や「天敵微生物そのもの」だってあるんです。
でも「どの農薬が天然由来に近いものなのか」は専門的な知識が必要で、素人では分かり難い現実があります。
そこで参考にしたいのが「有機農産物の日本農林規格」です。
有機農産物の日本農林規格は「有機農産物の規格基準」で、有機農産物として農産物を販売するにはこの規格に沿って生産しなくてはいけません。
いわゆる有機JASってやつです、日本で唯一の有機農産物(オーガニック)の規格基準になります。
この規格の中で「使用することができる」農薬があります。
※厳密には「農産物に重大な損害が生ずる危険が急迫している場合」に限り使用することができる農薬です。
参考として「有機農産物の日本農林規格:JAS規格第4条有害動植物の防除」の内容を紹介しておきます。
耕種的防除(カッコ内省略)、物理的防除(略)、生物的防除(略)又はこれらを適切に組み合わせた方法のみにより有害動植物の防除を行うこと。ただし、農産物に重大な損害が生ずる危険が急迫している場合であって、耕種的防除、物理的防除、生物的防除又はこれらを適切に組み合わせた方法のみによってはほ場における有害動植物を効果的に防除すること ができない場合にあっては、別表2の農薬(組換えDNA技術を用いて製造されたものを除く。以下同じ。)に限り使用することができる 。
<引用元:有機農産物の日本農林規格>
この別表2に記載された農薬は有機農産物に使用される農薬ですから、厳密な判定基準に即して選ばれています。
参考)有機農産物のJAS規格:別表1・別表2資材の適合性判断のための基準書・個別手順書
無農薬で野菜を作りたいけれど、やむを得ず農薬を使うのなら、この規格で選ばれた農薬をおススメします。
どんな農薬があるの?
最後に代表的な農薬をいくつか紹介しておきます。
いわゆるBT剤…オオタバコガ、アオムシ、コナガ、ヨトウムシなどに効果のある殺虫剤です。
こちらも殺虫剤…ゼンターリと同じくアオムシ、コナガヨトウムシなどに効果があります。
ハダニ類、トマトサビダニなどに効果のある殺虫剤です。ダニ類は無農薬でコントロールが難しいので、困ったときのコロマイト頼み(*_*)
黒腐病、軟腐病、べと病など微生物病害虫に効果がある農薬です。
「有機農産物の日本農林規格別表2に記載される農薬」は他にもありますが、とりあえず紹介はこの位にしておきます…繰り返しますが、これらの農薬を使う場合は「あらゆる努力をしてもどうにもならない場合」です。
それに農薬は万能ではありませんし、使い方だって簡単ではありません。
あくまでも最後の切り札として頂けると嬉しいです(^^♪
注意)語弊の無いように付け加えますが、農薬は決して危険なものではありません…詳しくはこちらの記事を参照ください
農薬のお話【前編】農薬ってそもそもなんだ?
農薬のお話【後編】どうしても残留しちゃうのね~農薬。残留農薬についてです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません