石灰肥料の効果と使い方|石灰肥料の撒き過ぎに注意しましょう

2022年8月4日

野菜作り初心者
野菜作り初心者
野菜の作り方を調べていると「植え付けの前に畑に石灰を撒きましょう」って書いてあるんですけど…石灰って必要なんですか?
農家のおじさん
農家のおじさん
確かに必要なんだけどね…植え付けのたびに石灰使うのもどうなんだろうな~

石灰は植物の成長にとって必要な肥料成分ですが、何も考えずに使いすぎると良くないことが起きてしまいます。

なぜ石灰が必要なのか、さわりだけでも構わないのでその意味を理解して正しく使いましょう。

目次

石灰肥料の効果は?

土壌のpH調整効果

石灰は土壌のpH調整剤としてよく使われます。

まずはその説明から。

畑の土は何もしなければ自然と酸性になってしまうと言われています。

その理由は①日本は雨が多く、その影響で土が酸性になる②窒素肥料の使い過ぎで土が酸性になる…などなど

しかも、ほとんどの野菜は弱酸性(pH6.5前後)を好むので、放置しておくと酸性に傾きすぎてしまう土を弱酸性に戻してあげることが必要になってきます。

そこで使われるのが石灰です。

石灰はアルカリ性でpHが高く、pHが下がり酸性になってしまった土を弱酸性に戻す効果があります。

野菜作り初心者
野菜作り初心者
だから家庭菜園の教科書には「石灰を撒きましょう」って書いてあるんですね

有機的な栽培を続けてきた個人的な経験ですが「石灰を用いた土のpH調整」が本当に必要なのかは疑問です。定期的に堆肥を入れて、適切な肥料量を守っていれば土壌が極端に酸性になることはまずないです(一般的な堆肥のpHは8∼9) ⇒これ有機農業の農家さんも仰っていました(昔聞いたお話です)。

石灰に土壌のpHを調整する機能があることは間違いありませんのであしからず。

<余談ですが…pHと酸度について>

家庭菜園についてのHPや本を読んでいると「pH」と「酸度」の単語をよく目にします…「pH」は馴染みがあるんですけどね「酸度」ってなんでしょうね?

よく似た意味で使われる「pH」と「酸度」ですが、何が違うのか少し気になったので調べてみました。

pHとは…酸性、中性、アルカリ性の度合いを数値で表したものです。pH7が中性、酸性はpHが7よりも小さくなればなるほど強く(例えばレモン、梅干しはpH2前後)、アルカリ性はpHが7よりも大きくなればなるほど強くなります。

酸度とは…物質に「酸の成分」がどの位含まれているのか、酸の強さの程度を表すそうです。

pHと酸度には微妙な概念の違いがあるみたいですが、ぶっちゃけ小難しくて良く分かりません(スイマセン…)ですので、この記事ではより分かり易くて馴染みのある「pH」で説明をしていきます。

石灰(カルシウム)の肥料効果

石灰を使う意味としては肥料としての効果の方が大切です。

石灰の肥料成分はカルシウム(Ca)です。

野菜にとってカルシウムは窒素、リン酸、カリについで吸収量の多い肥料成分で、新しく細胞が作られるときに働き、細胞膜を丈夫にしてくれます。

植物は新しく細胞を作りながら成長しますから、石灰(カルシウム)はとても大切な肥料成分なんです。

農家のおじさん
農家のおじさん
土のpHが弱酸性でpH調整の必要がなくても、石灰は肥料成分として必要だから注意してね

石灰が不足するとどうなるの?

石灰(カルシウム)不足が原因で起きる代表的な症状を紹介します。

・トマト、ナス、ピーマンなどの尻腐れ

夏野菜によくある症状です。夏場は気温が高く、植物の生育は旺盛で細胞は緩みがちです…そんな時期にカルシウムが不足すると植物は丈夫に育てなくなり、尻腐れになってしまいます。

・キャベツ、白菜の芯(生長点)の腐れ
・葉先、生長点が枯れる
・根っこが伸びない

カルシウム不足で新しい細胞の成長に問題が生じる生理現象です。

他にも、ジャガイモ(馬鈴薯)に黒い斑点が生じたり、キャベツやレタスの葉っぱのふちが黒く変色してしまう症状も知られています。

石灰を使いすぎるとどうなるの?

石灰肥料は水に溶けにくいため、土に多く入れ過ぎたとしても作物がすべて吸収するとは限りません。ですので肥料成分としての石灰(カルシウム)は入れすぎても問題にならないとされています。

石灰肥料を多く入れすぎた場合の問題は「pH」でして、石灰を入れすぎて土が強アルカリ性になると植物が他の肥料成分を吸収できなくなってしまいます。

農家のおじさん
農家のおじさん
酸性になってしまった土を元に戻すより、アルカリ性の土を元に戻す方が難しいんじゃ

畑に入れてしまった肥料はもう元に戻すことはできませんから、くれぐれも肥料の量には気を付けましょう。

石灰肥料の種類は?

石灰肥料にはいくつかの種類がありますので紹介しておきます。

生石灰…アルカリ分80~90%で強アルカリ、肥料としての効果は一時的で、植物に吸収されず土の中に残ると土を硬くしてしまいます。取り扱いが難しく、はっきり言っておススメできません。

消石灰…アルカリ分60~70%、土壌のpH改善効果が高く、生石灰のように土壌を硬くする心配もありません。肥料としての効きはゆっくりです。

苦土石灰…アルカリ分55%~65%、く溶性苦土を10~35%含みます。アルカリ分は強くなく、苦土(Mg:光合成に必要な肥料成分です)も補給できますし、石灰肥料として使いやすくおススメです。 ※貝殻を焼成して製造されたものが多いです。

まとめ~おススメの石灰肥料、使い方について

有機的な栽培を続けるのであれば「土のpH」はあまり気にしなくていいんじゃないですかね…pH調整は堆肥や有機質肥料に任せてしまいましょ。

石灰肥料を使う理由として、一般的には「pH調整」がメインになりますが、むしろ肥料成分としてのカルシウム補給の方が大切です。

有機質の石灰肥料(貝殻を焼成したものなど、アルカリ分は低いです)を例えば半年に1回ずつ補給するやり方をおススメしています。

最後におススメの石灰肥料を紹介しておきますね(^^♪

老舗の有機質肥料メーカー「川合肥料さん」のカルフレッシュ…牡蠣の殻を原料にした天然系肥料です。

参考文献)農文協:小祝政明著 有機栽培の基礎と実際―肥効のメカニズムと設肥設計