スイセン食中毒、ニラとよく似たこの植物、実は毒があるんです。間違って食べないように気を付けましょう。

2022年4月13日

スイセン食中毒をご存知でしょうか。有毒のスイセンをニラと間違えて食べちゃったニュースが時々流れますが、あれでございます。

スイセンの中毒症状は嘔吐、下痢、発汗、頭痛、昏睡,低体温などでして、食べた後30分以内の短い潜伏期間の後に発症します。

症状の初期に強い嘔吐があり摂取物の大半が吐き出されるため重篤に到ることは稀ですが、鱗茎を浅葱(あさつき)と間違えて食べ死亡した例もあり、決して侮れません。

この食中毒、スイセンをニラやノビル、タマネギ(球根部)と間違えて食べちゃった結果起きることがほとんどです。

「間違えないだろ」なんて考えないでください…実際に事件は起きてるんです。

少しだけスイセン食中毒の事例を紹介します。

目次

スイセン食中毒事例

・千葉県某所の住民が野菜販売業者から購入したニラを家族で食べたところ全員が嘔吐した。野菜販売業者がニラとスイセンを間違えて販売していたそうな。

ニラだと思って買ったら水仙だった…酷い話です。

・自宅の庭の植木鉢に植えていたスイセンをニラと誤って採取し、卵と炒めて(ニラ玉かな?)食べたところ、吐き気を呈して病院へ。

・山形県:自宅の畑で栽培していたスイセンをニラと間違えおひたしにして食べたところ、約1時間後に嘔吐、下痢の症状を訴えた。

この2つの案件…鉢や畑に植えたのはニラではないことに自分で気が付くことはできなかったのだろうか?それともスイセンだと知りつつ食べられると勘違いしたのだろうか?

・山形県の60代女性が自宅庭に生えていた葉を採取しチジミにして食べたところ30分後に寒気、吐き気、嘔吐の食中毒症状を呈した。

・三重県:自宅の家庭菜園でニラとスイセンを栽培していたが、境目が曖昧になり、誤ってスイセンを採取、肉と炒めて食べたところ緊急搬送されました。

「食べたとき、若干、まずくて苦いと思ったものの、ちがうものだとは気が付かなかった」そうです。

・福井県:自宅近くに自生していたスイセンの葉をニラと間違え、カレーの具にして食べたところ、吐き気やおう吐の症状が出て病院を受診した。

食中毒とは関係ないけど、カレーにニラ入れる発想からして斬新な方ですな。

家庭以外ではこんな事件も起きています。

・茨城県の小学校で、調理実習で作ったみそ汁を食べた児童5人が吐き気や嘔吐の症状を訴えました。みそ汁に、校庭の菜園で栽培していたスイセンの球根をタマネギと間違えて入れたそうです。

・岩手県盛岡の老人福祉施設の利用者と職員計5人がスイセンを誤って食べ、嘔吐や下痢などの食中毒症状を訴えました。散策の最中に食用のノビルと間違えてスイセンを採取。施設に帰り自分たちで調理し、みそ汁に入れてしまったそうです。

ざっと調べてみたところ、こんな感じです。

兎に角良く似てるぞ、ニラとスイセン

自宅に生えてるスイセン(自分で植えたんじゃないの?)をニラと間違える位ですから、この2つの植物、余程似ているのでしょう。

厚生労働省のホームページに クイズ「どちらがスイセン?どちらがニラ?」の写真がありましたけど、さっぱり分かりません。 クイズ! どちらがスイセン? どちらがニラ? (厚生労働省)

ニラはヒガンバナ科ネギ属の多年草、スイセンはヒガンバナ科スイセン属の多年草になります。

なるほど、ニラもスイセンもヒガンバナ科なんですね、葉っぱの形が似ているのも納得です。

ニラとスイセンの違いを言えば、ニラの葉っぱはご存じのように強い臭いがありますが、スイセンにはありません(因みにスイセンの臭いは弱く青臭いそうです)。この「臭い」がニラとスイセンの違いを判断する基準なのですが、それだけで見分けなさいってのも難しい話です。

兎に角、ニラとスイセンは見分けがつかないほどよく似ているってことです。

食用と判別できない植物は食べないようにしましょう

食用の野草と確実に判断できない植物は「絶対に、採らない!食べない!売らない!人にあげない!」ことが大切です。※厚生労働省「毒、有害植物に要注意より」

お散歩で採ってきたニラ(本当はスイセン…)沢山採れたからお隣さんにもおすそ分け〜なんてしたら、食中毒もおすそ分けですからね。

知らなかったじゃ済まされませんよ〜気をつけましょう!!

スイセン食中毒についてでした。