【さつま芋の育て方】さつま芋の土作り、苗の植え方、蔓返し、収穫後の追熟方法
さつま芋はそもそも病害虫が少ないので無農薬で大丈夫です‼さつま芋の土作り~収穫までの方法
さつま芋ってすごく性能の良い植物なんです。
ポイントさえ押さえれば、かなりいい加減に育てても大丈夫、ちゃんと収穫できます。
さつま芋の栽培って本当に楽しい、収穫の喜びがでかいし食べて美味しい‼
栽培については他の野菜に比べて失敗少ないし、手間もかかりません。
もちろん収穫量と品質を厳密に追いかけるプロの農家さんなら、栽培にかける手間も人一倍になりますが…家庭菜園ですからね、かなりいい加減にやっても大丈夫~収穫の喜びは十分味わえます。
でもちょっとだけコツがあるので畑作りから説明していきますね。
さつま芋の土作り
堆肥について
植えつけの2~3週間前には堆肥を撒いておきましょう。
※堆肥を撒いてから植え付けまでの時間は最低でも2~3週間は欲しいです。畑に余裕があるのなら一ヵ月前、二か月前、もっと早くても構いません。
堆肥で畑の土に野菜が育つために必要な有機物を補給しておきます。
堆肥は肥料成分の少ない、バーク堆肥や腐葉土、牛糞堆肥がおススメです。
※豚分堆肥、鶏糞は肥料成分が多いのでおススメしません。
肥料について
この野菜の最大の特徴は肥料成分の少ない「痩せ地」でも育つことです。
反対に肥料成分たっぷりの肥沃な土地で育ててれば「つるぼけ(蔓ばっかり伸びてイモが大きくならない)」になってしまいます。
ですので、肥料については(いろいろな見解がありますが…)無肥料スタートでいいでしょう。
下手に肥料をあげて「つるぼけ」するのも面白くないですしね。
畝について(かまぼこ畝の作り方動画)
さつま芋は乾燥状態を好みますから、高畝で植え付けします。
基本的にはかまぼこ型の1条畝、マルチはなしで大丈夫です。
※と、長年考えていたのですが…どうやら土質によっては事情が変わるみたいです⇒粘土質の土は乾くと硬くなるので、苗の活着すら難しく、土の湿度を保ってくれるマルチが必要になることを最近知りました(勉強不足でスイマセン)。
《関連記事》【家庭菜園】畝とは何ぞや?畝の種類と選び方、それぞれの効果について
さつま芋苗の販売時期はいつ?
さつま芋苗の主な販売時期は4月の中下旬~5月中旬頃、6月の上旬には販売終了となります。
ホームセンターなどでさつま芋苗を見つけたら迷わず確保しましょう。
※2023年現在、さつま芋苗の入手が難しい状況が続いています。
種苗屋さんに何故かを聞いたところ、さつま芋の病気「サツマイモ基腐病」が蔓延していて、それが原因なんだそうです。
・糸状菌(カビの一種)が原因の病気で、感染するとさつま芋の茎が黒く変色、さらに病気が進むと葉や茎が枯れて、その後に塊根(芋)が腐ってしまいます。
・2018年に九州で発生が確認された新しい病気で、苗の移動により全国的に広がりつつあります。
⇒抜本的な対策がまだなく、2018年からさつま芋の作付け面積、収穫量は減少を続けています。
さつま芋農家さんには大変な時期が続いている状況なんです …(2023年現在)
参考1)農研機構_サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策
参考2)宮崎県_サツマイモ基腐病対策について
参考3)農林水産省_令和3年産かんしょの作付面積及び収穫量
「サツマイモ基腐病」が発生した圃場(畑)や苗床で育てられた苗は既に感染している恐れがあり、健全な苗の確保が難しく、さつま芋苗の流通量も減少しているのだと思います。
さつま芋苗の植え方
さつま芋の苗は蔓の状態で販売されていて、それを土に刺すだけです。
刺し方には色々ありますが、横に倒して刺す(下の図の1~3)のが一般的になります。
さつま芋作りの最大の山場はこの苗が土に根付くまでです。
苗植えするのは4月~5月になります。この時期は雨が少なくて高温になる日もあって、運が悪く乾燥状態が続くと、根付く前に枯れてしまいます。
ですので、苗を植える前に植穴にたっぷりと水を入れてください(これでもかってくらい)、更に植えた後にもドバドバ水をあげておきます。※畝が水の流れで崩れ始めるのでその度に土を盛り直してあげてください。
さつま芋苗の保管方法
購入したさつま芋苗は出来るだけ早く畑に植えてあげたいのですが…天気が悪くて畝を立てられなかったり、いろいろな事情でお家で保管しなくちゃいけないこともあるはずです。
さつま芋の苗は水を張ったバケツなどに入れて、直射日光を避けた場所に置いておけば、ある程度は保管することができます⇒ただし、時間の経過とともに腐ってダメになる苗は多くなっていきます。個人的な経験ですが、2週間後に生き残るのは3分の2程度です。
※さつま芋の苗は水に浸けると根が出て、腐りやすくなるので本当はあまり良くないらしいのですが、素人に水なしの管理は正直言って怖い…
購入時の状態にもよりますが、1週間程なら水なしで薄暗い場所に立てておく方が良いみたいです。
なにはともあれ、購入した苗は出来るだけ早く畑に植えてあげましょう。
蔓返しと雑草取り
無事に苗が根付けば後の管理はほとんど放置になりますが、雑草取りと蔓返しだけはやっておいてください。
蔓返しとは…
さつま芋の蔓は地面に付くとそこから根を伸ばしてイモを作ろうとします。
そのままにしてしまえば、小さなイモが数多くなり栄養が分散して大きなイモを収穫することが出来なくなってしまいます。
ですので、地面に根付こうとする蔓を引っ剥がして反対側に返してあげます。
これが蔓返し…まあ、そのうちに蔓があっちこっちに伸びて邪魔になるので、気づいた時に土から引っ剥がして反対側へぶん投げてあげましょう。
雑草取りは蔓をかき分けてやるととんでもない手間なので、蔓返しで地面が見えているタイミングでやってしまいましょう。※収穫までに2回もやれば収穫まで「草負け」しないで逃げ切れます。
収穫
収穫時期は11月、さつま芋は寒さに弱いので、霜が降りる前に収穫してしまいます。
追熟
ここからが、美味しく食べるための大切なポイントになります。
さつま芋は時間をかけて追熟させると、中にある澱粉が糖に変わり甘味を増していきます。
直射日光と湿気を避け、適温(13℃~14℃)で2週間以上、出来れば一か月くらい追熟させると良いとされています。
掘ってすぐ焼き芋したい気持ちは分かりますが、ぐっと我慢です(^^)
おまけ…畑の蔓からさつま芋の苗作り(動画)
最後にさつま芋の蔓から苗を作る方法を紹介します~上手くお家で育てれば、来年の苗になるかもしれませんよ(^^♪
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