【家庭菜園】無農薬栽培|ジャガイモの育て方

2022年3月28日

ジャガイモはとにかく病気の多い野菜です。

かなり型破りですが…無農薬で元気にジャガイモを育てる方法をここでは紹介していきます。

・植え付け時期はできるだけ早く
・植え付けはできるだけ深く
・ジャガイモを傷つけないために「芽かき」「土よせ」はあえてやりません‼

目次

ジャガイモについて

<ジャガイモ>
ナス科の野菜です。
ナス科の野菜は連作を嫌います。トマト、ナス、ピーマンなど、ナス科の野菜を育てた畑に植え付けするのは避けましょう。※3年はあけたほうが良いとされています。
《関連記事》 【家庭菜園】連作障害とは|なぜ連作すると障害がでるの?

<ジャガイモの主な病害虫と対策>
ジャガイモはとにかく病気が多い野菜です。 順調に育っているかと思いきや、ある日突然葉っぱが変色し始めて、あれよあれよと枯れていく光景は見ていてほんとに恐ろしい…

【ジャガイモの代表的な病気】
モザイク病
 葉っぱがモザイク状に変色し始めたらモザイク病かも、ウイルスが原因の病気です。
 対策:病原菌の増殖を防ぐために、湿度を低く抑えること
軟腐病
 根元の葉っぱからドロドロととろけ始めたら軟腐病の可能性があります。
 対策:病原菌の増殖を防ぐために、湿度を低く抑えること
そうか病
 ジャガイモといえば、そうか病…ジャガイモの表面に痣のような凸凹がつきます。
 (皮をむけば食べられますが、見た目が気持ち悪い)
 対策:そもそも種芋に原因菌が付着している可能性があります。
    種芋を購入しましょう⇒種芋はあらかじめ消毒処理されています。
    そうか病は土壌伝染病です⇒連作は避けましょう。

他にも「疫病」とひとくくりにして、名称を特定できない病気が多発します。
対策①早い時期に植え付けして、湿度の上がる梅雨前にジャガイモを収穫
対策②生育中のジャガイモを傷つけない⇒傷口から病原菌がジャガイモの体内に侵入します。

ジャガイモの栽培時期

ジャガイモの栽培スケジュールです

ジャガイモの植え付け時期は2月の下旬から4月中旬までになります。

無農薬で栽培するのなら2月下旬から3月上旬、なるべく早い時期に植え付けすることをおススメします。

ジャガイモは湿気で病気になることが多く、できれば梅雨入り前に収穫を終わらせたいからです。※ちなみに関東甲信越の梅雨入り時期は6月上旬が多い

農家のおじさん
農家のおじさん
収穫期が梅雨時期にぶつかると、長雨で芋ほりできなくなることもあるんじゃ

早い時期は遅霜にやられる恐れがありますが、深植えして、いざという時には不織布などで対策できるので大丈夫

さっさと植えて、梅雨がくる前に芋ほりしてしまいましょう

秋植えについて

※九州の主産地では秋から冬に植え付けして春に収穫する(新じゃが)こともありますが、この記事では「秋植えの方法」についての説明はしていません。
《関連記事》ジャガイモの旬はいつ?新じゃがと低温保存ジャガイモ、ジャガイモの産地リレーについて

ジャガイモの品種について

ジャガイモの種芋は2月の中旬にもなれば、ホームセンターの店頭に並び始めます。

品種選びもジャガイモ栽培の楽しみのひとつです。

昔からある男爵やメークインなどの品種だけじゃなくて、聞いたことのない名前のジャガイモ、赤や紫のジャガイモなどなど…ちょっとだけ紹介しておきます。

男爵、メークイン、キタアカリ⇒これは知名度の高い品種ですね。

インカのめざめ【皮:茶色、果肉:黄色】
ベニアカリ【皮:赤、果肉:白】
アンデスレッド【皮:赤、果肉:黄色】
シャドークイーン【皮:黒、果肉:紫】

どの品種を選んでもいいのですが、個人的な経験から…良く知られた、昔からあるジャガイモ品種は育てやすくて収穫量も多く、あまり聞いたことのない珍しい品種は栽培が難しく(病気になりやすい)収穫量は少なくなる傾向みたいです。

無農薬栽培なら、珍しい品種だけでなく無難な品種(男爵、メーク、キタアカリなど)も押さえておきたいです…個人的な意見ですよ。

有機物の補充、肥料について

有機物(堆肥や腐葉土など)の補充

ジャガイモの植え付けは冬があけて、春になってすぐのタイミングですから、堆肥や腐葉土を畑に撒いて養生する時間が十分にあります。

農家のおじさん
農家のおじさん
冬は畑がすっからかんだから、堆肥で土づくりするには良い時期なんじゃ

植え付け前、最低でも2週間前には有機物(堆肥や腐葉土)を畑に入れて荒起こししておきましょう。

肥料

ジャガイモを育てるために必要な肥料量を窒素成分で考えてみましょう。

参考にジャガイモ栽培の施肥基準を見てみます…※農家さん向けの資料なので、大面積(1,000㎡)あたりの数字になってます。

・10aあたりの窒素成分:基肥8㎏、追肥3~5㎏(ばれいしょ:男爵)
参考1)農林水産省‗健康な土づくり技術マニュアル(平成20年2月、青森県)2.各作物の土づくり[3]畑作・野菜_3施肥基準
・10aあたりの窒素成分:基肥8㎏、追肥3㎏(バレイショ:男爵、ワセシロ)
参考2)ぐんまアグリネット_作物の施肥基準‗3.野菜
・10aあたりの窒素成分:15㎏(ばれいしょ_マルチ栽培)
参考3)千葉県‗主要農作物等施肥基準(平成31年3月改訂)‗施肥基準(普通畑作物及び工芸作物)
※各資料、地域差や条件が異なりますのであくまでも参考値としてみてください。

大体、基肥と追肥をあわせた窒素成分総量で、10a(1,000㎡)あたり11㎏~15㎏みたいです。※もちろん、ジャガイモを育てるために必要な肥料成分は窒素成分だけではありません。話がややこしくなるので窒素成分だけで肥料量を確認しています。

実際にどれだけの肥料量を入れれば良いのか計算してみましょう。

例えば、1㎡の家庭菜園で必要な窒素成分量は…11㎏~15㎏(1,000㎡あたり)⇒11g~15g(1㎡あたり)

これを肥料成分:窒素(N)‐リン酸(P)‐カリ(K)=5(%)‐6(%)‐5(%)の肥料で補うと220g~300gになります。※220g(肥料の量)×5%=11g(肥料の量)~300g×5%=15g

とはいえ、これはあくまでも目安に過ぎません。

畑には前作の窒素肥料が残っている可能性が多々ありますし、堆肥などの有機物も肥料成分を含んでいます。その場合、基準量の窒素肥料を撒いてしまえば完全に「肥料の入れ過ぎ」になってしまいます。

農家のおじさん
農家のおじさん
結局、パラパラで良いんじゃ(適当でスイマセン…)

肥料をあげすぎると、生育障害や病気の原因になってしまうので、基準は基準として、それ以上入れないように注意しましょう。

ジャガイモの植え付け方法

大きな種芋は切っておきましょう

小さな種芋(30~50g)は切らずにそのまま植え付けて構いませんが、大きな種芋(50g)は芽の位置を確認しながら切っておきます。

切り分けた種芋に芽がなければ、ジャガイモは育ちませんので注意してください。

種芋はへそ(地下茎とつながっていた部分)からお尻(へその反対側)を貫く軸に沿って切るのが基本です。ジャガイモの芽はその軸を中心にらせん状に並んでいます…軸に沿って切るとそれぞれの種芋にまんべんなく芽が分かれます。

※ジャガイモ芽の並び方は文章では説明し難いので動画にしました↓参考にどうぞ

深植えのススメ

2月下旬から3月下旬に植え付けするなら、心配するべきは遅霜です。

遅霜がやってきたとしても、芽がまだ土の中にあれば心配する必要はありません。暖かくなるまで土の中でゆっくり育てるつもりで、できるだけ深く植え付けすることをおススメします。

それに、ジャガイモは種芋の上に伸びた茎に芋を付けますから、深く植えてあれば沢山のジャガイモ収穫を期待することが出来ます。※「土寄せ」のところで説明しますが、あまり土寄せしたくないので…なおさら深く植えたいです。

種芋の植え付け方法

基本に忠実で、とても一般的な植え付け方法を紹介します。

※ジャガイモの種まき方法は他にも色々とありまして(例えばマルチを使うやり方とか)絶対にこの方法が正解ってことはありませんのであしからず。

では、手順を追って説明していきましょう。

①畑をざっくり平らにならす

②畑に水糸を張って、鍬ですじをつける⇒これが畝になります

水糸を60㎝幅でずらしながら畑にすじをつけていきます

③すじに沿ってひたすら溝を掘る、掘った土は溝の間に積んでいく

⑤まだ掘る…ジャガイモは深植えの方が多く収穫できるので、できるだけ深く掘ります。最後の方は「掘る」というより、ごりごり土を削る感じ…土がだんだん固くなって心配になる方もいるかと思いますが、じゃがいもは基本的に種芋よりも上にできるので大丈夫です。

※人力で掘った場合せいぜい20㎝位が限界なので、深すぎる心配はいらないです。

⑥溝の底に種芋を並べていく…株間30㎝位(大体でOK)

⑦足で掘り起こした土を溝に戻して芋の種まき完了

全部土を戻したら、畑は平らになって、どこに種芋植えたのか分からなくなりますが、そのうち芽が出て畝の場所がわかるようになるので心配しなくて大丈夫です。

こんな感じで完成、見た目は更地になります。

後は芽が出るまで気長に待ちましょう。

※芽が出るまでの管理についてですが、何回か足で目暗除草してあげると、その後の除草管理が楽になります。やり方は簡単、足でぺっぺと土を動かしてあげるだけ…※土を動かし続ければ雑草は生えてきません

芽かきについて

ジャガイモの実を大きく育てるため、複数本ある芽を減らす「芽かき」をするのが一般的なジャガイモの育て方です。

この「芽かき」作業…良く晴れた日に、まだ芽が小さいうちにタイミングよく出来ればよいのですが…

もし「芽かき」の時期が遅れて、じゃがいもが大きく育った状態でガサガサといじくれば、じゃがいもが傷ついて病気の原因になってしまいます。

無農薬栽培なら、農薬で病気を抑えることしません。

農家のおじさん
農家のおじさん
そこで型破りな提案だがの~「芽かき」をしない選択肢もありじゃ

元気に育っているなら、そっとしておいてあげましょう。

大きなジャガイモを狙っても、病気になってしまえば元も子もありませんからね。

この大きさになると、人の手を加えない方が良いです。
そっとしておいてあげましょう‼

土よせについて

ジャガイモの「土寄せ」も、ジャガイモが育つ土壌体積を大きくして、実を大きく沢山収穫するためにやる作業です。

この「土よせ」も「芽かき」とおなじく、ジャガイモを傷つけ病気の原因になる恐れがあります。

ジャガイモは生育がとても速くて、気が付けば畝間が葉っぱで覆いつくされてしまいます。そこへ、鍬を持った人間が、ガサガサと葉っぱをかき分けて入っていけば…病原菌をジャガイモに擦り付けているようなものです。

「土よせ」についても、やらない選択肢もありですよ

※「土寄せ」なしでも収穫量を確保するコツは、なるべく深く植え付けることです。

「芽かき」「土よせ」なしで作ったジャガイモです
ゴロゴロ、大きな芋収穫できました(^^♪

収穫

ジャガイモ収穫の頃合いは「葉っぱが枯れた頃」になります。※葉っぱが青々としているうちは光合成産物をせっせと根っこに蓄えているので、まだイモが大きく育ちます(転流といいます)。

良く晴れた日を選んで、スコップでジャガイモを傷つけないように気を付けながら収穫しましょう。

掘り起こして畑に広げて、裏表乾燥させてから回収します。