【家庭菜園】堆肥で土作り、効果と堆肥を使う前に抑えておきたいポイントまとめ

2021年9月24日

※ここでは、貸農園やお家の庭など、地面のある家庭菜園の土作りについて説明します。プランター栽培の参考にはなりませんので、あしからず。

農家のおじさん
農家のおじさん
畑を始めたのなら「土作り」もちゃんとやらなきゃいかんよ
野菜作り初心者
野菜作り初心者
「土作り」って畑に堆肥とか腐葉土を入れることですよね。興味はあるんですけど、ホームセンターに行けば、いろんな種類の堆肥とか土作りの資材があって、どれを使ったらいいのか良く分かんないんです。お金もかかるし、そもそもこれ必要なんですか?
農家のおじさん
農家のおじさん
堆肥や腐葉土を畑に撒くことだけが「土作り」じゃないんだけどね
農家のおじさん
農家のおじさん
堆肥で土作りをすると畑に良いのは間違いないよ、野菜を作るのに良いことづくめなんじゃ、堆肥選びもポイントさえ押さえてしまそんなに悩む必要もないしの~

という訳で、ここでは堆肥を使って土作りするとどんな効果があるのか、実際に堆肥を購入して畑に撒く前に押さえておきたいポイントについて解説したいと思います。

目次

堆肥で土作りするとどんな効果があるの?

保水力が上がる

保水力とは、土が水を捕まえておく力のことをいいます。

保水力のない土は砂場や砂浜の砂をイメージすると分かり易いかと思います。砂に水を撒いて、湿った状態にしても放っておけば、あっという間に乾いてしまいますよね。これが保水力のない土の状態です。

反対に保水力のある土は例えば森の土

べちゃべちゃな状態でなくても、手で触ると湿った感じがするのを想像出来るはずです。これが保水力が高い土の状態になります。

保水力の低い土の畑で野菜を作ろうとするとひっきりなしに水やりをしなくてはいけません。

水やりをさぼろうとして、だぶだぶに水をやれば、今度は根腐れを起こしてしまいます。

作物にとってちょうどいい水分の状態を人工的に作り上げるにはかなりの努力が必要なんです。

ところが、保水力の高い畑は、作物が生育するのに必要な水分を適量含んだ状態にしてくれます。

堆肥で土作りをすると、自然と作物にとって都合の良い水分状態の土に変わっていくってことなんです。

通気性がよくなる

適度に空気を含んだふんわりとした、扱いやすい土の状態になるってことです。

土質にもよるのでしょうけど、扱いにくい粘土質の土(乾くとがちがちに固くなる)や反対に砂に近いような土も長年、堆肥を投入して土作りすると、適度に湿り気のある、鍬やスコップで扱いやすい状態になると言われています。

土中の空気なので目で見ることはできませんが、確かに、やせて作物ができない畑の土は、固く締まり、重たく感じるものです。

※自分の経験ですが、その土地の土質を改良するには相当な量の堆肥と時間が必要です…辛抱強くない私は、土の状態を改善するに至ったことはありません。あくまでも一般論です※もう土作りの常識といわれるくらい知られた一般論です。

植物の根は呼吸をしていますから、作物にとっても良い状態になることは間違いありません。

土の保肥力が上がる

保肥力とは…土が肥料を捕まえる力のことをいいます。

野菜作り初心者
野菜作り初心者
保肥力のない畑で野菜を作るとどうなっちゃうの?

大きく展開する葉物野菜を作ると分かり易くて、保肥力のない畑だと、種を撒いて芽が出て、途中まで葉っぱの色つやも良くて生育も順調でも、ある時期を過ぎると全体的に色あせてきて、しまいには葉っぱが黄色くなって全然大きくならなくなったりします。

所謂「肥料切れ」ってやつです。

作物が成長するのに必要な肥料分(葉っぱを大きくするのは主に窒素)が土から無くなっちゃって、大きくなれない…つまり最後まで肥料がもたない状態です。

土に撒いた肥料は、雨が降れば土から流れ出してしまいます。

でもですね、堆肥で土作りをすると土が肥料をしっかり捕まえて、雨が降っても肥料が流れにくい畑に変わっていくんです。

土が肥料を捕まえた状態は、いつでもお金をき出せる銀行口座みたいなものでして、作物が必要な時に必要な量の肥料を取り出すことができるようになります。

つまり、畑に撒いた肥料を失うことなく、作物の都合の良い時に使えるようになるってことなんです。

すごいでしょ。

なんで堆肥(有機物)を使うと土が良くなるのか

それを理解するには土の団粒構造について知らなくてはいけません。

団粒構造とは…土の粒子(ちっちゃな土の粒)が集まって大きな粒になり、大きな粒が集まった状態(構造)のことです。※反対にバラバラな状態は単粒構造といわれます。

保水性と通気性が上がる理由

堆肥や腐葉土などの有機物を畑に撒くと、土の中で微生物に分解されて「腐食」と呼ばれる物質に変化します。この「腐食」が土の粒をつなぎ合わせる糊の役割をして、土が団粒構造になっていくわけです。

団粒構造の土はその大きな粒の中に水分を蓄えます。一方で余分な水分は団粒構造の大きな粒と粒の間を流れ畑から流れ落ちますので、水はけがが良くて水持ちのよい(なんとも都合の良い)土の状態になります。

それに、団粒構造の大きな粒と粒の間には、空気がありますので、土は空気を含んだ扱いやすい状態になるってことです。

保肥力が上がる理由

堆肥を畑に撒くと、それを分解する微生物が集まり、先に説明した「腐食」が増えていきます。微生物や腐食はマイナスに荷電したコロイド(土の粒子が集まった状態です)を作ります。

このコロイドはマイナスに荷電していて、肥料分の多くはプラスに荷電していますので、電気的にくっつきます。

作物は都合のいい時に、ここから肥料を吸収していきます。

つまるところ、堆肥をつかって土作りをすると腐食が増えて、土が団粒構造になり、電気的にマイナスのコロイドが作られることで、状態がどんどん良くなるってことなんです。

堆肥で土作りをする前に押さえておきたいポイント…失敗を回避するために

ずらずらと堆肥の必要性(効果)を並べてみました。

堆肥についての基本的な考え方は、堆肥は肥料ではないってことです。あくまでも土質を改善するためのもので、作物の成長に必要な肥料ではありません。

野菜作り初心者
野菜作り初心者
畑に良いことは良く分かったけど、具体的にどの土作り資材を買って、畑に撒けばいいの?
農家のおじさん
農家のおじさん
そんなことわからんよ(笑) 自分で試すしかないんじゃ

すいませんね…でもこれが娘さんの質問に対する答えだと思います。

おそらく、家庭菜園をする方のほとんどが、堆肥や腐葉土などの土作り資材はホームセンターで購入されることと思います。自分で作るのも楽しいのですが、これには時間と場所と労力が必要でして…

いざ土作りしましょうねって、ホームセンターに行くと堆肥だけでもいろんな種類があることに気が付きます。牛糞堆肥、鶏糞堆肥、腐葉土、バーク堆肥etc…

どの資材を購入して畑に撒くのかは、その土の状態、作る予定の作物の種類、これまで投入してきた資材の種類、いまの畑の成分状態(土壌分析すれば分かります)投入する時期、気温など様々な要因で変わってきます。

つまり正解は無いんです。

土の中って、人間様が考える以上に複雑で、科学的に説明するのが難しいんです。ここで「これを買えば大丈夫‼」なんて言えるはずがありません。

但し、購入資材を選ぶときにトラブルを回避するために、押さえておきたいポイントはあります。

それだけ説明しておきましょう。

ポイント①:同じ資材を大量に連続して投入しないこと

堆肥といっても僅かながら肥料成分を持っているものがあります。

例えば鶏糞堆肥は比較的に肥料分を多く含むことで知られています。連続的に鶏糞堆肥を投入し続けると同じ成分の肥料ばかりが増え続け、何かしらの肥料障害(例えばリン酸過多)が出るかもしれません。

販売されている堆肥の完成度も心配するべきです。中には粗悪で未熟なものが販売されているかもしれません。何回か購入して品質的に安心できるものでない限りは、同じ種類の資材でもいくつか購入してみて試してみることをおススメします。※もし作った野菜が調子悪ければ、資材を疑ってみる必要もあります。

ポイント②:未熟な堆肥は避ける

未熟な堆肥は「発酵が不十分で有機物が分解されていないもの」です。

残念ながら、販売されている堆肥の中には未熟なものがあります。堆肥や腐葉土などの土作り資材を購入して使う時には、いつも「この堆肥は未熟ではないか」を確認するべきです。

開封したときに嫌なにおいがしたり、原料(特に木くず、バーク堆肥)の原型が残っているもの、指で押しても崩れない(分解が進んでいない)ものは堆肥として未熟な可能性があります。

未熟な堆肥を投入すると、作物にとって有害なガスを出したり、分解過程で肥料分を消費して作物に影響する恐れがあります。

もし未熟な堆肥を購入してしまった場合、畑に撒くとしても、できるだけ時間を空けて作付け(種まき苗植え)をしたほうが良いです。

ポイント③:堆肥を畑に入れてから、種まき苗植えするまで、出来るだけ時間を空けること

ポイント②でも少し触れましたが、これは絶対おススメのポイントです。その昔有機で野菜を作っている農家さんに教えてもらいました「大体のことは時間が解決する」未熟な堆肥でも土の中で分解が進むかもしれませんし、団粒構造が出来るのに時間が必要ってことなのかもしれません。

農家のおじさん
農家のおじさん
つまり、作物が畑にない、時間を確保できる冬が土作りのチャンスってことだな

あとは、畑に入れてみて、作物の様子をうかがいながら、自分で経験を積んで適切な資材と投入量を感覚でつかんでいくしかありません。

あえてススメの資材を上げるとすれば、完熟のバーク堆肥か少し値段が張りますが、腐葉土です。肥料分がないので、肥料成分のかたよりは回避できますし、有機物が豊富なので堆肥としての効果も期待できます。

始めはホームセンターで数種類のバーク堆肥と腐葉土を購入して試してみては如何でしょう。

おわりに

堆肥を使うメリットばかりを説明しましたが、何かしらの方法で土作りをしなければ、だんだん土が痩せて作物が育ちにくい状態になってしまいます。

自分で堆肥を作らなくても、有難いことにホームセンターに行けば、比較的に安価で簡単に堆肥が手に入るのですからこれを利用しない手はありません。

これから土作りを始める方も、堆肥で土がだんだん(変化はゆっくりですよ)畑が変わっていく喜びを味わってもらいたいです。

良い土作って、美味しい野菜作りましょう‼