液体肥料とは?|効き方の特徴と使い方について

2022年7月21日

この記事では、液体肥料の特徴と使い方についての説明と最後にちょこっとだけおススメの液体肥料を紹介しています。

目次

液体肥料とは?

液体肥料は読んで字のごとく「液体の肥料」です。
※液体肥料に対して、粉体肥料、ペレット状の肥料は固形肥料と呼ばれます。

液体肥料にも化学肥料と有機質肥料があって、原料と製造工程が異なります。

<液体肥料の主な製造工程>
液体の化学肥料:化学的に合成された肥料成分を溶かして製造
液体の有機質肥料: 有機物を微生物の力で発酵させて製造

単純に化学肥料か、有機質肥料かの分類以外にも、化学肥料と有機質肥料を混合したものや特定の肥料成分を追加したもの、酵素を含んだものなど、いろんな種類の液体肥料が販売されています。

液体肥料の効き方は?

液体肥料はすぐに効いて、肥料効果は長持ちしません。

液体肥料は固形肥料と比較して植物に吸収されやすく、肥料効果がすぐに表れます。

例えば「植物の葉色が薄くなってきたので、早く肥料を効かせたい」ときには、液体肥料を使うと、速くて翌日、遅くとも数日で葉色が戻ってきます。※それぞれの液肥の違いや、使い方によって効果は変わります。

但し、固形肥料に比較して効果が持続することはことはありません。

液体肥料を野菜にあげて、一発どんと効いて肥料効果は終わりです。

つまり液体肥料は「ここ一発肥料を効かせたい」タイミングで有効な肥料なんです。

液体肥料の使い方は?

液体肥料は「液体」なので葉面散布や流し込みなど、固形肥料にはできない特徴的な使い方が出来ます。
・液肥ごとに希釈倍率があって、水で薄めて使用します。

①葉面散布

スプレーや噴霧器で液体肥料を霧状にして、栽培中の野菜に散布する方法です。

植物は根っこだけでなく、葉や茎からも養分を吸収する能力があるらしく、肥料を効かせたい部位にダイレクトに肥料成分を投入することが出来るんです。

この方法、何よりも「お手軽」でして…希釈した液体肥料を霧吹きに入れて、肥料を効かせたい植物の部位にかけるだけ(^^♪

※葉面散布について、ひとつ注意が必要なのは「炎天下でやらない」ことです。液体肥料の濃度が高いと肥料成分が植物に焼き付いて「肥料焼け」してしまうかもしれません。葉面散布をするのは、早朝や夕方、若しくは曇天の日を選びましょう。反対に雨の日にやるとすぐに流れ落ちちゃうのでこれも駄目ですよ。

②株元への流し込み

株元へそっと流し込み、土に肥料成分をしみこませて、根から肥料を効かせる方法です。

畝幅が広くて土の中への追肥が難しい場合などに使うと便利な方法になります。

やり方はこれも簡単、ジョウロに希釈した液体肥料を入れて、作物の根元にそろそろと流してあげればOK
※ジョウロの先の「ハスの実」は取って使った方がやり易いです。

※水田農家さんが使う方法で、田んぼの水に液体肥料を流し込むこともあるんですよ。

農家のおじさん
農家のおじさん
プランターで野菜を育てているなら、水やりの時に液体肥料を混ぜてあげれば手間も省けて楽ちんよ

無化学の液体肥料は購入できるのか?(余談ですが…)

無化学肥料にこだわっているのなら、液体肥料選びは少し厄介です。

何故なら(これは液体肥料に限らず肥料選び全般についても同じなのですが…)肥料のパッケージに記載されている名称や表示から、化学的な物質を使っているのか否かを判断することは困難だからです。

パッケージに「有機○○液肥」と記載してあっても、化学的な物質を含んでいないとは限りません。

余談ですが…有機農業の農家さんは「有機農産物の日本農林規格に適合する(化学的な処理をされていない)」肥料か否かを判断するために、供給先(メーカー)へ資料の提出を求めて、確認する必要があるとされています。参考)有機農産物のJAS規格別表等資材の適合性判断基準及び手順書

早い話が、液体肥料に化学的な処理をされた原料が使用されていないかを確認する方法は、メーカーさんに問い合わせるしかないってことです。

家庭菜園の個人レベルでそこまでやるのは難しいですからね…とにかく「完全に証明された無化学」の肥料を入手するのは難しい現状なんです。

おススメの液体肥料

それでも少しでも無化学にこだわりたいのであれば、信頼できるメーカーのものを使うしかありません。

最後にいくつか紹介しておきますね。

サカタのタネさんの有機質液体肥料です(おそらく化学的な処理はされていません)。

さすが万田酵素さん、この液肥には化成肥料を含むことと、有機認証には適合しないことをHPで公表しています。無化学肥料ではありませんが、信用できるおススメの液肥です。