【家庭菜園】畑の土を無農薬で消毒する方法|土の太陽熱消毒とは?
畑の土を太陽熱消毒する効果、方法(時期)、メリットデメリットについて説明しています。
土の太陽熱消毒とは?
真夏の暑い日に太陽熱を利用して土を高温にすることで、土壌消毒する方法です。
農薬を使わないので安全安心な土壌消毒の方法なんですよ(^^♪
太陽熱消毒の効果とは?
太陽熱消毒の主な効果は①土の中にいる害虫を減らす、②土の中の病原菌を減らす、③土の中にある雑草の種を減らすの3つになります。
①土中害虫を死滅(若しくは密度を減らす)
地表にいる害虫は防虫ネットで防いだり、根気よく手で取り除いたり、無農薬でも被害を軽減する方法はあります。
ところが…厄介なのは土の中の病害虫です。
<過去、痛い目にあった土中の害虫←かなり憎い>
大根やカブの肌を食い荒らす線虫類
白菜や大根など、アブラナ科の発芽したばかりの芽を食い荒らすキスジノミハ虫
植えたばかりの苗や芽が出たばかりの野菜の根本を食べてしまうネキリムシ などなど…
これらの害虫は防虫ネットを張っても、土の中からやってくるので防ぎようがありません。
でも大丈夫、太陽熱消毒でこれらの害虫は死滅(若しくは密度を減らす)ことが出来るんです。
②土中の病原菌を死滅(減少させる)
土の中には野菜を病気にしてしまう病原菌(悪玉菌)がいます。
病気の名前を挙げればキリがなく、軟腐病、ナス半枯れ病、ホウレンソウ苗立枯れ病、ウリ類つる割れ病、イチゴ萎黄病、トマト青枯れ病、根こぶ病等などなど。
※野菜が病気になったとしても素人では病名を特定するのは難しいのですが…とにかく土中には病原菌がたくさんいます。
太陽熱消毒は土壌中の病原菌も死滅(若しくは密度を減らす)ことができます。
注意)微生物(病原菌含む)細菌は適度な温度と湿度があると増殖します。
気温が中途半端な時期に太陽熱消毒すると逆に病原菌が増えるかも…病原菌を死滅させるには高い温度と時間が必要なので、太陽熱消毒は暑い季節にやりましょう‼
③土中にある雑草の種を死滅
雑草の種は土の中に無数にあって、水と光の条件が揃えば発芽して大きく育ってしまいます。
太陽熱消毒をすれば、深さ5cm程度までの土壌中にある雑草の種を死滅させることができるんです。
太陽熱消毒のやり方は?
やり方はいたって簡単です‼
1.平マルチを張る要領で整地する(畝を作る)
畑を耕して、平マルチを張るつもりで地面を平らに鎮圧します。
2.畑にたっぷり水を撒く
これでもかってくらい、たっぷりと水を撒いてください。
※水をたっぷり撒くと畑の表面に水溜りが出来ますが、時間が経てばしみ込みます。
水をやる⇒しみ込むのを待つ⇒水をやる作業を数回繰り返します。
最低限「畑の土を握って、指でほぐせば崩れる状態」まで水を撒きましょう。
あまりやり過ぎると畑の土がぐちょぐちょになって、後の作業が出来なくなるので程ほどに…
3.透明マルチを張る
透明マルチは太陽の熱を吸収して土の温度を高温にしてくれます。
※黒マルチも土の温度を上げますが、透明マルチ程の効果はありません。
マルチを張った後に、飛散防止で土をマルチの上に置くことがありますが、太陽熱消毒ではおススメできません⇒土を置いた場所だけ熱が上がらず消毒できないかも…
マルチの飛散防止に重しをするなら、透明なビニールに水を入れて置いておくと良いらしいですよ。
透明マルチはホームセンター、ネット通販で購入できます。
4.太陽熱消毒の効果が出るまで待つ
時々透明マルチが剥がれていないか確認しつつ、気長に待ちましょう(^^♪
土の太陽熱消毒にはどの位の期間が必要か?
ざっくり3週間以上…お天気の良い日が続くなら2週間以上でもOKです。
厳密には…太陽熱消毒に必要な時間は、お天気や畑の条件によって異なるので、地温を実際に計測して定量的に判断するのが間違いない方法になります。
※土壌太陽熱消毒の効果は地温と積算時間でみます。
⇒例)太陽熱消毒で地温が40℃になる時間が400時間なら土壌の病原菌が死滅…という感じです。
地温と積算時間ごとの「太陽熱土壌消毒による病原菌の消毒効果」はこちらのHPを参考にどうぞ…実際の実験データが分かりやすく記載してあります⇒参考)農研機構_陽熱プラス実践マニュアル
まあ、厳密に地温を計測するのは大変ですからね…暑い季節にたっぷり時間をかければ効果は間違いないでしょう(^^♪
太陽熱消毒の時期は?
地温を確保しやすい季節、最高気温30℃以上の日が続きやすい7月下旬~8月までが適期でしょう。太陽熱消毒の期間を最低2週間確保したいので8月の中旬頃が最終スタートですかね…
太陽熱消毒のメリット、デメリットは?
とても有効な太陽熱消毒ですが、メリットだけでなくデメリットもありまして…
メリット
・農薬を使わないので安全安心な土壌消毒方法です。
・太陽熱消毒をすると、雑草が少なくなるので後の管理が楽になります。
・太陽熱消毒した後、透明マルチを剥がすだけですぐに植え付け出来ます
⇒秋の植え付け作業が楽になります。
デメリット
・太陽熱消毒できる時期は暑い季節だけ⇒ぼけっとしているとタイミングを逃します。
・暑い季節の作業なので、とても疲れます(真夏の昼間は暑すぎるので作業は止めておきましょう)
・時間がかかります…太陽熱消毒している期間中、畑で野菜は作れません。
夏場の畑が無駄になってしまいます。
まとめ
太陽熱消毒は病害虫の駆除(密度を減らす)にとっても有効な手段なのですが、夏の暑い時期にしかできない期間限定の方法なのが残念でして…
とはいえ無農薬で土中の病害虫を減らす数少ない手段ですからね。
計画的に太陽熱消毒を取り入れることをおススメします(^^♪
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