【家庭菜園】抽苔(ちゅうだい)、とう立ちとは?|抽苔を避けるには?
<この記事の内容>
家庭菜園で知っておきたい、抽苔(ちゅうだい)、とう立ちについて、抽苔を避ける方法を説明しています。
抽苔(ちゅうだい)、とう立ちとは?
育てている野菜の花茎(かけい:花をつけた茎)が伸びだす現象が抽苔、または「とう立ち」です。
これが厄介でして、結球するレタスやキャベツは丸くならず、大根や人参は根が太らなくなってしまいます。
しかも一度抽苔が始まるともう元には戻りません。
植物の生きる目的は花をつけて、種を残し、次の世代を育てることにあります。
ところが、葉菜や根菜を育てている人間の立場なら「まだ花をつけるな~大きく育ってくれ」ですよね。
抽苔は家庭菜園にとって(時には)厄介な現象なんです。
抽苔、とう立ちの原因は?
抽苔の原因は、寒さ、栄養不足、夜と昼の長さ(日長)などです。
※野菜の種類や品種によって抽苔する条件は異なります。
抽苔の原因①|春の抽苔:春化現象(バーナリゼーション)とは?
寒さが原因で抽苔してしまう現象です。
春化現象(バーナリゼーション)には2つの型があります。
種子感応型:吸水して動き始めた種の頃に低温に反応 ⇒ ダイコン、カブ、ハクサイ、ミズナ、エンドウ、ソラマメ
※失敗例:春の大根は要注意です…まだ寒い期に種まきして、抽苔させてしまったことがあります。
とにかく春先の種まきは要注意です‼
緑色植物感応型:発芽してある程度の生育した後に低温に反応)⇒ タマネギ、キャベツ、セロリ、ネギ、ニンニク、ニンジン、ゴボウ
※あまりこのパターンで抽苔させてしまうことはありません。家庭菜園で気にする必要はないでしょう。
抽苔の原因②|日長条件:長日植物、短日植物とは?
植物によっては光が当たる時間⇒日の長さ(夜の長さ)の変化に反応して花を咲かせます。
長日植物、短日植物とは?
「夜の長さ=暗闇の時間」の変化に反応して花を咲かせる植物を長日植物、短日植物といいます。
<長日植物とは?>
冬から春にかけて「日が長くなる=夜が短くなる」と花を咲かせる植物です。
※ダイコン、ホウレンソウ、コムギなど
・限界暗期(11時間)より夜が短くなると花を咲かせます。
・花を咲かせる時期は春分より少しあと、3月中旬~4月中旬
⇒昆虫が活動を開始する季節です~昆虫に花粉を運んでもらうため、この時期に花を咲かせます。
<短日植物とは?>
夏から秋にかけて「日が短くなる⇒夜が長くなる」と花を咲かせる植物です。
※キク、アサガオ、アサガオ、コスモス、イネなど
・限界暗期(13時間)より夜が長くなると花を咲かせます。
・花を咲かせる時期は秋分より少しあと、9月中旬~10月中旬
⇒昆虫の活動が終わりかける季節です~その前に花粉を運んでもらうため、この時期に花を咲かせます。
<マメ知識>
昼の長さと夜の長さが同じ12時間になるのタイミングは1年で2回あります、それが春分の日と秋分の日です。
因みに…日長植物、短日植物以外の植物もありまして、中性植物といいます。
中性植物:明期、暗記の長さに関係なく温度に反応して花芽形成⇒トマト、キュウリ、エンドウなど
抽苔の原因③|収穫遅れ
もう大きく育っている野菜をいつまでも畑に放置しておくと大体の場合、抽苔してしまいます。
野菜によっては、抽苔した花芽を切り取って美味しく食べることも出来ますが、大体の場合はもう野菜として食べられたものではありません。
特に根菜は絶望的です、大根はスカスカになり、人参は抽苔すると硬い芯ができてしまいます。
せっかく育てた野菜ですから、いつまでも放置せず、美味しいうちに収穫して食べてしまいましょう。
抽苔(とう立ち)を避ける方法
種(品種)の種まき、植月時期を守ることだけです。
種メーカーさんは、抽苔を避けて野菜を育てる時期をちゃんと知っています。
種の袋の裏側にある栽培スケジュールをちゃんと守れば大丈夫です。
※例えばおなじ大根でも品種によって抽苔条件は変わりますので、必ず栽培井スケジュールは確認してくださいね。
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