【家庭菜園】有機肥料の選び方、無化学肥料は買えるのか?ちょっと真面目に調べてみました
せっかく家庭菜園で野菜を作るのだから、化学肥料も農薬も使わずに、安全安心な野菜を収穫したいと考える人は多いのではないでしょうか。
無農薬で野菜を作りたければ、単純に「農薬を使わなければいい」お話なのですが、化学肥料ではない(化学的な処理をされていない)肥料を選ぶのは簡単ではありません。
肥料につけられた名称で化学的な処理をしていない肥料は選べるのか?
結論から言いますと「肥料の名称」で化学的な処理をされていない肥料であることを判断することはとても難しいです。
例えば「有機○○肥料」の名称で販売されている肥料について説明します。
「有機」と書いてあれば、有機⇒オーガニック、自然物を原料にした(昔ながらの)肥料みたいなイメージが一般的ですが、必ずしもそうとは限りません。
肥料の名称に有機100%と記載してあっても、パッケージにある保証表を見れば、肥料の種類が「化成肥料」となっている場合があります。
化成肥料は「原料に化学的操作を加えて製造したもの」だそうです。
参考)日本肥料アンモニア協会:化学肥料Q&A
※保証表(生産業者保証票、輸入業者保証票)は「普通肥料」に分類されるものに添付してある、その肥料についての情報を記載したものです。
詳しくは分かりません…いずれにせよ肥料取締法では化学的な処理をしてあるか否かで肥料を完全(厳密な意味で)には分類していないので「肥料の名称」や「保証表の記載内容」で有機的な肥料であるか否かを判断するのは難しいみたいです。
より自然物由来の肥料を選ぶ方法
厳密に化学物質が含まれていない肥料を選ぶことは難しいのですが、より自然物由来の肥料を選ぶ方法はあります。
①保証票が添付してあって、肥料の種類(名称)に有機質の名前しか記載されていないもの
有機質は例えば「魚かす肥料」「なたね油粕及びその粉末」「米ぬか油粕及びその粉末」などなどです。化学物質の名称が記載していないなら、少なくとも自然物が主成分であることは判断できます。
②保証票がないもの、肥料の種類が「堆肥」「動物の排泄物」と記載してあるもの
保証票は「普通肥料」に分類される肥料に添付してありますが「特殊肥料」に分類される肥料には保証票の添付がありません。
※特殊肥料とは…「魚かすや米ぬかのような、農家の経験と五感により品質の識別できる単純な肥料や堆肥のようなその価値や施用量が必ずしも主成分の含有量に依存しない肥料」になります。
肥料取締法について – 農林水産省
かみ砕いて解釈すると、農家のおっちゃんが臭いをかいだりして「これは良い肥料じゃの~」と識別できて、どんだけ肥料を入れるのかは、成分だけじゃ決められない(おそらく肥料成分を保証できないってことなのでしょう)肥料ってことです。
特殊肥料の種類は肥料取締法で46種類指定されていて、ほとんどが有機質(自然物由来)のものになっています。
※特殊肥料は保証票の添付が必要ありませんが、「堆肥」と「動物の排泄物」だけは表示が義務付けられています。
有機農産物を生産している農家さんが使っている肥料
因みにですが、生産物を有機農産物(有機JAS)として販売している農家さんが使っている肥料について、さらっと説明しておきます。
勿論、有機農産物の生産に「化学的な物質を含む肥料」は使うことが出来ません。
有機農産物を生産する農家さんが肥料を購入して使用する場合は、肥料の製造業者から製造工程図や原材料のリスト、化学的な物質を使用していない証明書など、必要な書類を取り寄せて「化学的な物質が含まれていない」ことを確認しなくてはいけません。
肥料の名称やパッケージに記載された情報だけでは「化学的な処理をしているか否か」を判断することはできませんから、肥料についての情報開示を業者さんに求めなくてはいけないんですね~
大変でしょ、家庭菜園でここまでやるのはどうかなと…
※有機農産物に使用する肥料や資材については、もう少し詳しく別の記事で紹介したいと思います。
おわりに
化学的な処理をされていない肥料を選ぶ難しさは、完全に無添加の食品を選ぶ難しさに似ています。
神経質にこだわり過ぎると、何も食べられなくなっちゃいます…これだけ化学的な物質の恩恵を受けた世の中ですから、多少はしょうが無いんじゃないですかね~
自分で判断できる範囲で、オーガニックにこだわるのが丁度良い楽しみ方だと個人的には考えます。
手の届くところで、有機的な栽培を楽しんで頂けたら嬉しいです(^^♪
参考)肥料の種類と特色 – 農林水産省
参考)肥料取締法について – 農林水産省
参考)有機農産物のJAS規格別表等資材の適合性判断基準及び手順書
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