無農薬で枝豆を育てる方法|おススメの栽培時期、防虫ネットで害虫対策
枝豆は比較的に害虫被害の多い野菜ですが、ちゃんと対策すれば無農薬でも大丈夫、キレイに育てられます。この記事では枝豆の栽培方法と、枝豆の害虫対策を2つ紹介していきます。
枝豆の病害虫と対策
<枝豆>
枝豆はマメ科の野菜です。
マメ科野菜の特徴は「根粒菌による窒素固定」です。
空中の窒素を固定して、肥料成分として吸収します⇒肥料のあげすぎに注意しましょう。
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<枝豆の主な病害虫と対策>
・アブラムシとアブラムシがもたらす伝染病
対策:窒素肥料のあげ過ぎに注意しましょう。
・カメムシ類
対策:防虫ネットで防ぎましょう。
・シロイチモジマダラメイガ、マメシンクイガ
莢(さや)の中に侵入して、枝豆を食い荒らす難い奴らです。
対策:防虫ネットで防ぎましょう。
・モザイク病(ウイルス)、糸状菌(カビ)が原因のべと病などなど…
他にもいろいろな病気になりますが、基本に忠実に水はけの良い場所で「蒸れ」に気を付けていれば大丈夫です。
枝豆の栽培時期は?
枝豆の種まき時期はとても長くて、その時々で品種を選びながら3月下旬(お彼岸を過ぎた頃)~8月中旬まで種まきすることができます。
枝豆といえば真夏の野菜のイメージですが、品種を選べば10月末まで収穫を楽しむこともできるんですよ。
栽培時期で種(品種)を選びましょう
枝豆は種の種類(品種)によって、種まきから収穫までの栽培期間を選べる野菜です。 いくつかの品種について各種苗メーカーさんが推奨する栽培時期を見てみましょう。
初夏、出来るだけ早い時期に収穫したければ、早生、極早生の品種を選んで4月の上旬に種まき⇒6月の下旬には収穫できますし、遅い時期、秋の収穫を狙うなら 「いきなまる(サカタのタネ)」や「白鳥(トーホク)」を選べば10月の収穫も可能です。
※種まきと収穫時期は地域、土壌条件などで異なります。詳細は各種メーカーさんの栽培スケジュールを種の袋やHPで確認してください。
※ここで紹介した種(品種)以外にも各メーカーさんがいろいろな枝豆の種(品種)を開発、販売しています。ホームセンターやHPで自分好みの種を探してみてくださいね(^^♪
《関連記事》【種の選び方】早生、中生、晩生ってなんだ?その意味について
茶豆と黒豆
茶豆の種も黒豆の種もホームセンターやネットで手軽に購入することが出来ます。基本的な栽培方法は枝豆(青豆)と変わりません。※栽培時期については各品種の栽培時期を確認してください。
【茶豆】茶色がかった緑色の枝豆が収穫できます。茶豆には青豆とは異なる独特の味わいがあって、とにかく美味しい‼
【黒豆】正月の煮豆に使われる黒豆ですが、黒大豆になる前に枝豆として収穫することもできます。これもまた特有の風味と食感を楽しめる枝豆です。
株間、畝立て、マルチ
枝豆は気温の高い時期に育てる野菜なので、地面からの湿気が原因で病気になる恐れがあります。
雨が降った後、水溜まりのない「水はけの良い」場所を選びましょう。大体、平畝で大丈夫ですが…畑の水はけが心配なら少し土を盛り上げて高畝にしておくことをおススメします。
株間:20㎝程度…※株が大きくなる晩生種は30㎝程
畝間:40~60㎝
マルチ:地面からの湿気を防ぐため、強い雨が降った場合の泥はねを防ぐために、マルチを使うことをおススメします。マルチの色は一般的な「黒」で大丈夫です。
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枝豆の無農薬栽培①おススメの栽培時期
枝豆は害虫被害がとても多い野菜です。
アブラムシ、カメムシ、マメシンクイガ、良く分からんけど葉っぱ食べる奴…などなど 、これらの害虫は春から夏、気温が上がるにつれて数が多くなり食欲も旺盛になっていきます。
大丈夫、無農薬で枝豆を育てるにはコツがあります…それは「害虫が少ない時期に枝豆を育てる」ことです。
枝豆は低温に弱い野菜ですが、3月お彼岸を過ぎた頃なら種まきしても大丈夫です。 ※種については(メーカーさんの推奨する時期よりも少し早いですが…)極早生、早生品種を選んでください。
害虫は気温が上がるにつれて活発になりますから、なるべく早い時期に種まきをして害虫にやられる前にさっさと収穫してしまいましょう。
枝豆の無農薬栽培②防虫ネットで害虫対策
害虫が少ない時期に種まきしたとしても、害虫から枝豆を守る防虫ネットは必要です。
種まきしたらすぐに防虫ネットを張ってください。
防虫ネットは防虫効果だけではなく、鳥害(種を狙って鳥がやってきます)を防いで、さらに保温効果もありますから必ず用意してください。
枝豆は高さのある野菜ですから防虫ネットもある程度の高さが必要になります。ネット幅180㎝(支柱幅180㎝以上)あれば十分です。
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種まきのポイント
種は2粒ずつ撒きます。※理屈は分かりませんが、1粒撒きより2粒撒きの方が後の生育が良くなると農家さんが教えてくれました。
種まきした後に長雨が続いたりすると、発芽する前に種が腐ってしまうことが稀にあります。1週間たっても種に変化がない場合は容赦なくマルチの穴から土ごと古い種を取り出し、土を入れ直して新しい種で「撒き直し」してしまいましょう。
摘芯と断根、摘芯断根苗について
摘芯について
枝豆の収穫量を増やすために「摘芯」することがあります。
本葉が4枚~5枚に育ったところで生長点を摘み取り、脇芽の成長を促す技術と紹介されることが多いのですが、種(品種)によっては効果は見込めないのだそうです。
特に早生系の枝豆は「摘芯」しても収量は増えません。
参考)サカタのタネ園芸通信園芸相談Q&A_エダマメは摘芯すると枝が出て、莢の付きがよくなると聞きました。いつごろ芯を摘んだらよいのでしょうか。
断根苗について
断根とは…苗の段階で根を切り、再度発根させて根の力を強くする技術のことです。
枝豆栽培で「摘芯」と合わせた「摘芯断根」を紹介されることもあるかと思いますが、この技術はもっと複雑です。
摘芯断根苗を植えてから、枝豆が成長する過程が普通苗と違ったり…もしかしたら必要になる水や肥料の量が変わるかもしれません。
「摘芯断根」したからといって、それだけで収穫量が増えるとは限りません。
摘芯と断根の楽しみ方
「摘芯」や「断根」しても、品種にあった気温と日長条件、肥料のあげ方などに間違いがあれば収穫量は増えないことだけ覚えておきましょう。
とはいえ…植物に手を加えて成長の違いを観察するのも家庭菜園の楽しみのひとつです。
おなじ品種で「摘芯」「断根」するものとしないものを比較したり、時期をずらして試してみたり、肥料の量を変えてみたり…
より深い枝豆栽培の世界へ~かなりマニアックな楽しみ方ですが、挑戦してみては如何でしょう(^^♪
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草取り
3月下旬に種撒きすれば、6月下旬~7月上旬には収穫できます。その間に1回だけで構いませんから防虫ネットをはがして草取りしてあげてください。※1回で十分ですよ~はがした防虫ネットはすぐに張り直してくださいね。
収穫適期について
収穫の適期は、豆が膨らんだ莢が全体の8割になった頃です。すべての莢に膨らんだ豆が入るまで待つと、がくんと味が落ちてしまいます。
枝豆は収穫してから時間が経てば経つほど味が落ちる野菜です。
枝豆を収穫すると決めたなら、すぐに持ち帰り、すぐに茹でて食べちゃってください。
めっちゃくちゃ美味しいですから(^^♪
おわりに
枝豆って…食べてこんなに楽しい野菜って他にないんじゃないですかね。
紹介したのは無農薬で成功確率の高い3月下旬撒きの方法ですが、防虫ネットさえあればもう少し後の種まきでもキレイに作れます。
種まき時期をずらせば一回だけじゃなくて、数回収穫を楽しめますよ。品種を選べば9月まで収穫できるかもです。
枝豆は栽培も面白くて「摘芯断根」栽培なんて技術もあります。※摘芯男根については別の記事で詳しく紹介しますね。
収穫したての枝豆、作り手の特権ですから、思いっきり楽しんじゃってください(^^♪
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